2009年 01月 29日
板金、練金、ボクcyu-kin |
今日の占いでは想像力が強くなりますとのことでした。
そんなこと言われなくてもボクの想像力って凄く強かったりします。
ある時は世界の偉人、またある時は潜水艦の艦長、非現実の世界に自分を置いてみる事が日頃のストレス発散になるのかも・・・?。
そして時には現実的な想像も・・・。
ボクが板金の名手だったとします、鉄の板をどんな形にでも叩いて整える力を持っています。頭に浮かんだイメージを上手くデザインできる友人がいて、彼が描いたデザイン画を元にボクはただの鉄板をすばらしく格好いいクルマに変えることが出来るのです。
ボクらは自動車会社を設立し今までに見たこともないような理想の車を作る計画を企てます、芸術畑の友人は会社の経営を嫌がりボクが社長となりました。銀行からお金を借り工場を建設し各種機械も取りそろえ、製品の納入先もすべて決まりました。
理想の自動車を作るためには他に技術者が必要です、細かな部品は外注するにしてもエンジンは自前で作りたい、だからエンジンを作る技術者を雇い入れます。他にもシャーシを作る技術者とクルマの設計者を雇い入れました。
板金工のボクが社長でデザイナーの友人は共同経営者、設計のAさん・エンジン技術者のBさん・シャーシ技術者のCさんの3人を株主にしたcyu-kinモータースの旗揚げです。
デザイナーである友人とAさんの共同作業で新しいクルマの概略が出来上がりました、少し遅れていたBさんのエンジンもようやく間に合いました。板金工兼組み立て労働者であるボクがボディーを叩き、Cさんが作ったシャーシの上に組み立てていきます、夢のように格好いいクルマ"cyu-kin 01"の完成です。
手作りのスーパーカー"cyu-kin 01"は4000万円で発売します、原材料費で2000万ほどかかっているので僕たち5人の分け前は1台につき400万円になります。ここで僕らは給料の取り決めをします、「共同経営者である友人には月800万円、他の各人は月に300万円ね」。
特殊なボディーを作り上げるのはボクだけですから月産2台が精一杯です、でもこのクルマの反応は上々でウェイティングリストが山のようになりました。
でも、今の状態では月に8000万円の売り上げしか得ることが出来ません。ボクは毎日馬車馬のように働きます、友人もAさんもBさんもCさんも大変そうだな~とボクを見守ってくれます。「社長大変そうだな~」という同情的な目で・・・。
そこでボクと同じだけの技術を持った板金工を育て上げようとします、"cyu-kin 01"を作るだけの技術を持てるように若いD君を仮社員として雇い会社のお金で教育します。
1年経ちやっとそれなりに出来るようになったD君を会社の正社員に採用、D君は会社で教育した社員ですから給料は他の人よりだいぶ少なく月に100万円です。ボクと一人前になったD君の二人で月に4台車を作ることが出来るようになり、cyu-kinモータースは月に1億6千万円の売り上げを得るようになりました。
この時点で労働をしているのはボクとBさんとCさんとD君だけです、友人のデザイナーと設計者Aさんの仕事は今のところありません。cyu-kinモータースの顧客はまだ行列を作って待っています、そこでボクは考えます、「流麗なボディーにちょっと手を加えて機械でプレスできるように変えればもっと生産量を増やせるはず!!」。
友人とAさん、Bさん、Cさんに命じて新しいクルマの開発に取りかかりました。"cyu-kin 01"を簡略化したボディーにBさんがディチューンしたエンジンを載せた"cyu-kin 01-Light"の完成です。このクルマはシャーシもボディーも機械で作ることが出来ます、最終組み立ても単純労働者が組み立てられるようにしたので熟練工は必要ありません。そこでボクは単純組み立て工を一人あたり月に20万円の契約で20人雇い入れることとしました。
"cyu-kin 01-Light"は機械化+単純工のおかげで月に40台作ることが出来るようになりました。"cyu-kin 01"に似ているのに一台800万円の廉価ですから飛ぶように売れます、このクルマを作るのに必要な労働力はBさんと20人の単純工です。
最初は月に8000万しか売り上げがなかったcyu-kinモータースですが今や"cyu-kin 01"の売り上げが月に1億6千万円、"cyu-kin 01-Light"の売り上げが3億2千万円です。"cyu-kin 01"を作り上げるのにはボクとBさんとCさんとD君の3人の労働が必要でボク以外に支払う給料は700万円です、"cyu-kin 01-Light"を作り上げるのにはBさんと20人の単純工が必要ですが彼らに支払う賃金は同じく700万円です。
1億6千万円を得るのに700万円が必要で3億2千万円を得るのにも700万円・・・。
そして世の中が不況になってきました、高級車"cyu-kin 01"の売り上げは芳しくなくなってきました。"cyu-kin 01"の生産中止をやむなく決断したボクです、"cyu-kin 01"のみを作っていたD君の仕事が無くなりました。
社長のボクはこの不況を乗り切ろうと新しいクルマの開発に取りかかります、思い切ったコストダウンで400万円のクルマを開発しました。この"cyu-kin 02"はエンジン制作も機械化し最終組み立てもロボットですから月の最大生産量は400台です。最大時の"cyu-kin 02"の売り上げは16億円に跳ね上がりました、そしてロボットが作ったその製品に対する労働対価は0円です。
1億6千万円を得るのに700万円の労働力が必要で3億2千万円を得るのに700万円、16億円を得るのに必要な労賃は無し・・・。
世の中が更に不況になってきました、"cyu-kin 01-Light"の売り上げも落ちてきたのでやむなく生産中止に・・・。月20万の契約で働いていた単純工20人の仕事が無くなりました。
不況で相次ぐリストラをしてもcyu-kinモータースの売り上げは月に16億円もあるのです、そして相変わらずボクは日々の算段で忙しく働きます。新しいクルマの開発時だけ働くデザイナーの友人、設計のAさん、エンジン技術者のBさん、シャーシ技術者のCさんや、"cyu-kin 01"だけを作っていたD君、"cyu-kin 01-Light"を作っていた単純工20人がその理不尽に気がつかないように祈ります。
こうしてボクは練金の名手になりました・・・。
そんなこと言われなくてもボクの想像力って凄く強かったりします。
ある時は世界の偉人、またある時は潜水艦の艦長、非現実の世界に自分を置いてみる事が日頃のストレス発散になるのかも・・・?。
そして時には現実的な想像も・・・。
ボクが板金の名手だったとします、鉄の板をどんな形にでも叩いて整える力を持っています。頭に浮かんだイメージを上手くデザインできる友人がいて、彼が描いたデザイン画を元にボクはただの鉄板をすばらしく格好いいクルマに変えることが出来るのです。
ボクらは自動車会社を設立し今までに見たこともないような理想の車を作る計画を企てます、芸術畑の友人は会社の経営を嫌がりボクが社長となりました。銀行からお金を借り工場を建設し各種機械も取りそろえ、製品の納入先もすべて決まりました。
理想の自動車を作るためには他に技術者が必要です、細かな部品は外注するにしてもエンジンは自前で作りたい、だからエンジンを作る技術者を雇い入れます。他にもシャーシを作る技術者とクルマの設計者を雇い入れました。
板金工のボクが社長でデザイナーの友人は共同経営者、設計のAさん・エンジン技術者のBさん・シャーシ技術者のCさんの3人を株主にしたcyu-kinモータースの旗揚げです。
デザイナーである友人とAさんの共同作業で新しいクルマの概略が出来上がりました、少し遅れていたBさんのエンジンもようやく間に合いました。板金工兼組み立て労働者であるボクがボディーを叩き、Cさんが作ったシャーシの上に組み立てていきます、夢のように格好いいクルマ"cyu-kin 01"の完成です。
手作りのスーパーカー"cyu-kin 01"は4000万円で発売します、原材料費で2000万ほどかかっているので僕たち5人の分け前は1台につき400万円になります。ここで僕らは給料の取り決めをします、「共同経営者である友人には月800万円、他の各人は月に300万円ね」。
特殊なボディーを作り上げるのはボクだけですから月産2台が精一杯です、でもこのクルマの反応は上々でウェイティングリストが山のようになりました。
でも、今の状態では月に8000万円の売り上げしか得ることが出来ません。ボクは毎日馬車馬のように働きます、友人もAさんもBさんもCさんも大変そうだな~とボクを見守ってくれます。「社長大変そうだな~」という同情的な目で・・・。
そこでボクと同じだけの技術を持った板金工を育て上げようとします、"cyu-kin 01"を作るだけの技術を持てるように若いD君を仮社員として雇い会社のお金で教育します。
1年経ちやっとそれなりに出来るようになったD君を会社の正社員に採用、D君は会社で教育した社員ですから給料は他の人よりだいぶ少なく月に100万円です。ボクと一人前になったD君の二人で月に4台車を作ることが出来るようになり、cyu-kinモータースは月に1億6千万円の売り上げを得るようになりました。
この時点で労働をしているのはボクとBさんとCさんとD君だけです、友人のデザイナーと設計者Aさんの仕事は今のところありません。cyu-kinモータースの顧客はまだ行列を作って待っています、そこでボクは考えます、「流麗なボディーにちょっと手を加えて機械でプレスできるように変えればもっと生産量を増やせるはず!!」。
友人とAさん、Bさん、Cさんに命じて新しいクルマの開発に取りかかりました。"cyu-kin 01"を簡略化したボディーにBさんがディチューンしたエンジンを載せた"cyu-kin 01-Light"の完成です。このクルマはシャーシもボディーも機械で作ることが出来ます、最終組み立ても単純労働者が組み立てられるようにしたので熟練工は必要ありません。そこでボクは単純組み立て工を一人あたり月に20万円の契約で20人雇い入れることとしました。
"cyu-kin 01-Light"は機械化+単純工のおかげで月に40台作ることが出来るようになりました。"cyu-kin 01"に似ているのに一台800万円の廉価ですから飛ぶように売れます、このクルマを作るのに必要な労働力はBさんと20人の単純工です。
最初は月に8000万しか売り上げがなかったcyu-kinモータースですが今や"cyu-kin 01"の売り上げが月に1億6千万円、"cyu-kin 01-Light"の売り上げが3億2千万円です。"cyu-kin 01"を作り上げるのにはボクとBさんとCさんとD君の3人の労働が必要でボク以外に支払う給料は700万円です、"cyu-kin 01-Light"を作り上げるのにはBさんと20人の単純工が必要ですが彼らに支払う賃金は同じく700万円です。
1億6千万円を得るのに700万円が必要で3億2千万円を得るのにも700万円・・・。
そして世の中が不況になってきました、高級車"cyu-kin 01"の売り上げは芳しくなくなってきました。"cyu-kin 01"の生産中止をやむなく決断したボクです、"cyu-kin 01"のみを作っていたD君の仕事が無くなりました。
社長のボクはこの不況を乗り切ろうと新しいクルマの開発に取りかかります、思い切ったコストダウンで400万円のクルマを開発しました。この"cyu-kin 02"はエンジン制作も機械化し最終組み立てもロボットですから月の最大生産量は400台です。最大時の"cyu-kin 02"の売り上げは16億円に跳ね上がりました、そしてロボットが作ったその製品に対する労働対価は0円です。
1億6千万円を得るのに700万円の労働力が必要で3億2千万円を得るのに700万円、16億円を得るのに必要な労賃は無し・・・。
世の中が更に不況になってきました、"cyu-kin 01-Light"の売り上げも落ちてきたのでやむなく生産中止に・・・。月20万の契約で働いていた単純工20人の仕事が無くなりました。
不況で相次ぐリストラをしてもcyu-kinモータースの売り上げは月に16億円もあるのです、そして相変わらずボクは日々の算段で忙しく働きます。新しいクルマの開発時だけ働くデザイナーの友人、設計のAさん、エンジン技術者のBさん、シャーシ技術者のCさんや、"cyu-kin 01"だけを作っていたD君、"cyu-kin 01-Light"を作っていた単純工20人がその理不尽に気がつかないように祈ります。
こうしてボクは練金の名手になりました・・・。
by cyu-kin
| 2009-01-29 23:07